「紙のタイムカードからクラウド勤怠へ」勤怠管理に絞って進めた業務改善
【鶴田町】株式会社つがるワイナリー
2023年の事業承継により、株式会社つがるワイナリーがスタートしました。
引き継いだ業務には手間のかかるものが多く、事務担当者の負担が大きいことが課題でした。
そこで今回は、勤怠管理に絞って業務改善をどのように進めているのか、DX担当の行木さんと佐藤さんにお話を伺いました。
- 事業内容
- 製造業(酒類製造業)
- 社員数
- 10名程度(パートを含む)
青森県DX総合窓口に相談した背景ときっかけ
Q:どのような経緯で、青森県DX総合窓口に相談することになったのでしょうか
事務作業は数名で担当していましたが、その数名も店舗の接客や発送、ワインづくりの手伝いなどを兼務しており、日々の業務で手一杯の状況でした。私たちはワインづくりに必要なぶどう栽培についても自社で行っており、事務担当者数名と、栽培期に集まってもらうスタッフで小規模に運営しています。「業務改善をしたい気持ちはあるのに、落ち着いて考える時間が取れない」という悩みを抱えていました。
青森県DX総合窓口を知ったのは、オンラインセミナーに参加したことがきっかけでした。セミナー終了後に業務改善に関して相談したいことをお伝えすると、すぐにオンラインミーティングをセッティングしていただきました。青森県DX総合窓口は無料で利用できることと県が実施している事業であることから安心して相談できました。
解決したかった課題と勤怠管理に絞った理由
Q:青森県DX総合窓口では、どんな相談をしたのですか
在庫管理に関する課題を話したことが出発点だったのですが、様々な業務内容に関して一通り聞いていただき、実際の書類や現在使っているツールも見てもらいながら、課題や解決したいことを一緒に整理していきました。
青森県DX総合窓口担当者からの質問に答えたり、業務フロー図を作成することで具体的な業務工程や課題を明確にしながら、今後の取り組みについて一緒に検討しました。
Q:その中で、勤怠管理から取り組むことにした理由は何ですか
青森県DX総合窓口担当者との意見交換を通じて、在庫・販売管理の効率化をすぐに実現しようとすると、現在使用しているツールの入れ替えや仕組みの構築、事務担当者の学習期間が必要となり、費用対効果や現在の業務体制の面で現実的ではないという判断に至りました。
そこで、まずはDXの第一歩として事務担当者だけでなくスタッフ全員がデジタル化による効果を実感でき、組織全体がDXを進めたいと心から思えるものに絞って検討を進めることにしました。相談を通じて、費用対効果が高く、現実的に取り組める分野として、勤怠管理を優先しようという認識を社内で共有することができました。デジタル化できそうな業務はほかにもありましたが、すべてを同時に進めるのは現実的ではないため、勤怠管理に優先して取り組むことにしました。
紙のタイムカードから勤怠管理ツールへ
Q:導入前の勤怠管理は、どのように行っていましたか
出退勤の記録は、各自がタイムカードへ手書きで行い、それを担当者1名が手作業で集計していました。そのため、稼働時間の計算や給与の計算には、かなりの時間がかかっていました。また、年末調整や源泉徴収に関わる作業にもかなり苦労していました。以前から引き継いだ方法のままで、何も疑わずに進めていましたが、今振り返るとかなり手間のかかるやり方だったと思います。
Q:勤怠管理ツールの選定と導入は、どのように進めましたか
事務担当者とぶどう栽培をしているスタッフがスマホから打刻できることと、今後検討している給与計算や会計システムと連携しやすそうな点を重視しました。
選定の際は、青森県DX総合窓口の担当の方からいくつか勤怠管理ツールを紹介いただきましたが、最終的に選んだのは、クラウド型の「タッチオンタイム(Touch On Time)」というサービスです。30日間の無料トライアルがあり、実際に試せたことで具体的な活用場面や方法を考えることができました。
使い始めの頃は、設定や機能に戸惑うことも多くありましたが、その都度調べたり、青森県DX総合窓口に相談しながら少しずつ運用を整え、現在も試しながらではありますが導入からおよそ3ヶ月が経過しました。
Q:ツールの導入後、スタッフはどのように勤怠を記録していますか
「タッチオンタイム」のスマホ打刻機能を使い、全員が出勤・休憩・退勤のタイミングで各自打刻しています。
最初は年配の方がスマホで打刻をするのは難しいのではないかと不安もありましたが、やってみると問題なく使えており、「自分でもできる」と言ってくれています。以前のように、わざわざタイムカードのために事務所に来る必要がなくなり直接作業現場に出勤できるようになったため、スタッフの負担は減りました。
Q:社内への伝え方で工夫したことはありますか
「これに決めたから、今日からこうしてね」と一方的に伝えるのではなく、「こういうことをやろうと思っているんだけど、どうかな?」と、早い段階から共有するようにしました。不安な点やアイデアを事前に出してもらいながら、一緒に進めていきたいというスタンスで話せたことが、スムーズな導入につながったと感じています。
また、いきなりタイムカードから完全移行するのではなく、タイムカードと「タッチオンタイム」を併用する試験運用の期間を設けながら運用することで、スタッフの不安を和らげつつ移行できていると感じています。
実感している変化と、見えてきた次の一歩
Q:勤怠管理ツールの導入で実感した変化と、今後の展望を教えてください
勤怠管理ツールの導入により、紙への記入と手作業での計算の頃に比べて作業時間が大幅に減ったことを実感しています。当たり前と思っていたやり方が実は手間のかかる方法だったことに気づけただけでなく、青森県DX総合窓口の支援を通じて業務を整理したことで、改善できるポイントが明確になり、次の一歩を考えやすくなりました。現在は移行期間ということで旧来のやり方でも行っていますが、今後は完全移行し、次のステップである給与計算ツールの導入を通じて業務のさらなる効率化を図っていきたいと考えています。
これからDXに取り組む方へ
Q:これからDXに取り組む方へ、どんなアドバイスがありますか
一番伝えたいのは、「最初から広げすぎない方がいい」ということです。やりたいことはたくさんあっても、同時に進めようとすると途中で行き詰まりやすいと思います。私たちの場合は、青森県DX総合窓口と一緒に全体の課題を整理し、最初の一歩を勤怠に絞れたことがよかったと感じています。
もうひとつは、「一人で悩まずに、まずは相談してみること」です。
こんなこと聞いていいのかな、恥ずかしいかなと迷ってしまいがちですが、私たちも最初は何から聞いていいか分からない状態からのスタートでした。無料で相談できる青森県DX総合窓口や、オンラインで参加しやすいセミナーがあったおかげで、最初の一歩を踏み出せました。
株式会社つがるワイナリー
| 所在地 | 〒038-3503 青森県北津軽郡鶴田町鶴田小泉335−1MAP |
|---|---|
| TEL | 0173-23-5703 |
| URL | https://www.tsugaru-winery.com/ |



ワインづくりに使用する器具
